ワインと料理
南アフリカワイン産業にとって、今年はとても大切な節目の年になります。
南アフリカで初めてワインが作られたのは1659年。そして今年は記念すべき350周年なのです。一般的にはあまり知られていませんが、南アフリカのワイン作りの歴史は、アメリカやオーストラリアよりも100年も早く始まっているんですね。
17世紀、つまり1600年代に最初に南アフリカに住み着いたヨーロッパ人はオランダ人。彼らがヨーロッパからワイン用のブドウの苗木を持って来て、今のケープタウンの街の近くで栽培を始めました。その後、17世紀後半にヨーロッパの宗教改革で追われたフランス農民達(新教徒ユグノー)が渡って来たことで、ワイン生産の技術が更に向上し、生産量は増えていきました。途中、政治的なアパルトヘイト(人種隔離政策)時代(1948~1991)に世界中から経済制裁を受け、輸出に関しては不遇な時代もありましたが、1994年の民主化以降、南アフリカワインは再び世界に広がっていきました。
現在、南アフリカのワイン生産量は世界第9位。ワイン醸造所(ワイナリー)は約600、ワインの種類は約6000アイテムほど存在します。南アフリカワイン協会のホームページによりますと、1995年から2007年の間に南アフリカワインの輸出量は335%の伸びを示し、最近では世界のワイン市場の中で急速にその存在感を強めています。
「南アフリカワインの特徴は?」と聞かれると、次のようなことが挙げられます。
- フルーティで飲みやすい。
- 価格以上に高品質。
- ブドウ栽培において、害虫や病気が少なく、自然栽培を基本とし、農薬や化学肥料の使用が少なくて済む。つまり、健康的なブドウ栽培が行われている。
- 政府による規制も厳しく、酸化防止剤の使用量は、世界的にも大変少ない。一般的なヨーロッパワインに比べると身体に優しい。
- 貧困対策、雇用促進などを目的としたプロジェクトワインやフェアトレード(発展途上国の経済的に貧困の人々が作った製品を買うことで、彼らの経済的自立を応援することを目的とした貿易)ワインが沢山あります。これらのワインを購入することで、南アフリカの子供達や経済的な自立を目指して努力している人々を応援することが出来ます。
「リーズナブルで美味しくて、健康的で、更に現地の人々の役にも立てる」
それが南アフリカワインなのです。私はワインが好きで、またはワインのプロとして、南アフリカに渡った訳ではありません。まさか自分がワインの仕事をするなんて、南アフリカに行く前には露ほども想像したことがありませんでした。しかし、南アフリカで出会った人々とワインによって、「どうしてもこの南アフリカワインを日本の人々に伝えたい。」という強い想いになりました。だからこそ、一人でも多くの日本の皆さんにも南アフリカワインを味わって欲しいと思っているのです。まだ南アフリカワインを飲んだことがない人は是非一度試してみてください。きっとその美味しさを理解して頂けると思います。
第三回は[ワイン、フードについて(下)] をお送りします。お楽しみに!
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